無意識にしてしまう癖に食いしばりや歯ぎしりがあります。
歯や顎に想像以上に負担が掛かり、さまざまなトラブルを招きかねません。
対策や予防を行い、歯ぎしりや食いしばりの改善をしましょう。
▪️こんな症状がありませんか?
・起床時顎が疲れている
・歯ぎしりの影響で歯が削れている
・口を開けると痛む、開けにくい
・就寝中に歯ぎしりがあると指摘された
・就寝時に食いしばりすぎて起きてしまう
・舌の外側が歯並びに沿ってデコボコしている
▪️歯ぎしり・食いしばりについて
歯ぎしり・食いしばりとは
歯ぎしり、食いしばりと聞くとちょっとした癖と捉えられがちですが、想像以上に歯や顎
に負担がかかっています。
通常、人間の上下の歯がかみ合っている時間は1日15~20分程度です。
しかし、ストレスや上下のかみ合わせなどの影響によって、上下の歯がかみ合わさる
癖がつき、物事に集中している時や無意識のうちに食いしばってしまったり、就寝時
に歯ぎしりしてしまったりするようになります。
また、歯ぎしりは大人だけではありません。
お子さまの場合であっても歯ぎしりの症状が出てしまうケースもあります。
乳歯が生え始めた頃や乳歯から永久歯に生え変わるタイミングで歯ぎしりの症状が
現れる場合もあります。
この場合は上下の歯のかみ合わせが日々変化していくため、無意識のうちにフィット
する位置を探っているためだと考えられています。
しかしお子様の歯ぎしりや食いしばりを心配される保護者の方も少なくありません。
ご心配なことがあれば、一度ご相談ください。
▪️歯ぎしり・食いしばりが及ぼす悪影響
歯ぎしりや食いしばりは単なる「癖」であると認識している人も少なくありません。
しかし、人間のかむ力は意外にも大きく、食事の際は男性で60kg、女性で40kgの力が
加わります。
歯ぎしりや食いしばりはさらに加わる力が大きく、男女平均して70kgほど、男性では最大100kgの力が加わると考えられています。
歯ぎしりや食いしばりは誰にでも生じるものであるため、それほどまでに負担がかか
っていると認識がない人も多く見受けられます。
しかし、歯ぎしりや食いしばりをそのまま放置してしまうと歯や顎に負担がかかり、さま
ざまなトラブルを招きかねません。
●歯が割れる(歯冠破折)歯の根っこが割れる(歯根破折)
日本人における抜歯理由の3番目にあたる歯根破損です。
●歯周病悪化につながる
歯ぎしりや食いしばりによって大きな力が加わると、歯茎や歯を支える組織が炎症し
、歯周病を悪化させてしまう恐れもあります。
●詰め物が取れやすい
●アブフラクション
アブフラクションは、歯ぎしりや食いしばりによって歯に負担がかかり、歯を守る防衛
反応として歯茎が引っ張られることで歯茎の位置が下がり、歯と歯茎の境目のエナメ
ル質や象牙質が一部欠けてしまう現象です。
そのような状態になると、知覚過敏の症状が現れるケースもあります。
▪️歯ぎしり・食いしばりの対処方法
マッサージ
歯ぎしりや食いしばりの原因の1つにお口周りの筋肉の緊張(ストレス)があげられま
す。
歯並びが乱れ、かみ合わせにズレが生じている場合、かみやすい部位ばかりで食べ
物をかみ砕くようになるため、お口周りのバランスが崩れます。
そのためバランスを保とうとお口周りの筋肉に負担がかかり、筋肉の緊張(ストレス)
が歯ぎしりや食いしばりを誘発させてしまうと考えられています。歯ぎしりや食いしば
りの改善・予防には、咬筋と側頭筋のマッサージが有効です。
ナイトガード(マウスピース)
歯ぎしりや食いしばりは、主に就寝時に強い力をともない生じていきます。
就寝時にナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着し、歯ぎしりや食いしばりによって歯や顎に加わる力を分散させます。
また、ナイトガードの厚みによって上下の歯がかみ合わない状況を作り出せるため、
リラックスした状態に近づけられます。
それにより歯ぎしりや食いしばりの改善へとつなげていくことも期待できます。
矯正
歯ぎしりや食いしばりの原因の1つとして、上下の歯のかみ合わせが考えられます。
歯並びとかみ合わせを整えることで、歯ぎしりや食いしばりを改善していけるケースもあります。
また、歯ぎしりや食いしばりの原因がかみ合わせではなく、ストレスなど他の原因であ
って場合は、矯正治療を行ったとしても改善が見込めない可能性も十分にあるため、
自身の歯ぎしりや食いしばりの考えられる原因を把握することも重要です。
些細なことのように見える食いしばりや歯ぎしりですが、歯や顎に想像以上になって
います。
歯ぎしりや食いしばりで加わる力は、患者さまが考えているより想像以上で、歯がす
り減るだけでなく、歯が割れたり歯根が折れたりすることも多くあります。
そのため、食いしばりも歯ぎしりも見過ごさず、治療が必要です。
歯ぎしり、食いしばりが気になる時は気軽に当院にご相談ください。