各務原市にある、大野歯科クリニックです。
検診でも指摘されることのある舌小帯異常をご存知ですか?
舌小帯とは、舌の下にある膜状のひだのことを指します。舌小帯が短く、舌の先端側に付着し、舌を上手に動かせない状態を舌小帯異常(舌小帯短縮症)といいます。
舌の運動が制限され、発音障害や哺乳障害、摂食障害が生じることがあります。
▪️お子様の舌小帯異常について

〈乳児〉
乳児では,舌の動きが制限されることでうまくお乳が吸えないことがあり、長く続くと栄養不良になることがあります。
この時期の舌の動きはミルクを飲むことに特化した動きをしています。哺乳に問題なく、体重の増加も順調であればすぐに手術をする必要がなく、注意深く観察していきます。
授乳時期の赤ちゃんでは、舌小帯は大人と比べて短く成長に伴い正常な形態へと変化することがある為、必ずしも手術しないといけないわけではありません。
〈幼児〉
言葉が出始める3歳頃では、舌小帯が原因で言葉がしゃべりにくいことがあります。舌の動きが大きいサ行などがうまく言えないことがあります。
しかしまだ成長途中なので、舌だけでなく、口の周りの筋肉を、上手に動かすことができないこともあります。言語が完成するまではご家庭でたくさんお話しをして経過をみたり、口腔筋機能療法(MFT)のトレーニングを行ったり、言語訓練を受けたりするのもいいです。
舌を適切な位置(スポット)に置きづらくなるため低位舌という状態になり、歯並びに影響が出ることがあります。
食べ物や飲み物、唾を飲み込む動作の際、舌を前方に押すようになり(舌突出癖)、以下のような不正咬合が起こります。
開咬:奥歯は噛んでいるが前歯が噛み合わずに常に前歯が開いている状態
下顎前突:下の顎が上の顎より前に出ている状態(受け口ともいいます)
前歯が出っ歯になったり、すきっぱになったりする。
▪️まとめ

舌小帯が気になる場合、専門家に相談することが大切です!
軽度な場合、舌の機能訓練(舌を動かすトレーニング)を行い様子を見るなどの方法もある為、自己判断せずに専門家に見てもらいましょう。
食事や発音に影響が出ている場合は早めに受診しましょう。