各務原市にある、大野歯科クリニックです。
今回、保護者の方からよく質問をいただく乳歯の生え替わりについてお話しします。
通常乳歯から永久歯への生え替わりは、おおむね下の前歯から始まってその後徐々に奥歯に向かって生え替わります。
大体6歳頃から乳歯が抜け始めることが多いのですが、お子さんの中には抜け始めが早かったり、遅かったりすることがあります。そうすると保護者の方は少し心配になるものです。
では詳しく見ていきましょう。
■乳歯が生えかわる順番
乳歯は生後6ヶ月頃から生え始めて、3歳頃には全て生え揃います。乳歯は全部で20本、上下で10本ずつ生えます。その後、冒頭にも述べたとおり6歳頃から抜け始めて少しずつ生え替わっていきます。
以下、乳歯が抜ける一般的な時期の目安です。ただし、あくまでも一般的な目安であってお子さんによって差異がある点にご注意ください。また、同じ時期に2本の乳歯が同時に抜けることもあります。
歯の名前 | 上の乳歯の順番 | 下の乳歯の順番 |
乳中切歯(一番前歯のこと) | 1:7~8歳 | 1:6~7歳 |
乳側切歯(前から2番目のこと) | 2:8~9歳 | 2:7~8歳 |
乳犬歯 (前から3番目のこと) | 5:11~12歳 | 3:9~11歳 |
第一乳臼歯(前から4番目のこと | 3:9~11歳 | 4:10~11歳 |
第二乳臼歯(前から5番目のこと) | 4:9~12歳 | 5:11~12歳 |
わかりやすく順番でいくと
下の前歯→上の前歯→下の前から2番目→上の前から2番目→下の前から3番目
→上の前から4番目→上の前から5番目→下の前から5番目→下の前から4番目
→上の前から3番目→下の前から5番目
という順番です。
■生え替わりの順番や年齢が違う?
乳歯の抜ける順番が違っていると保護者の方が不安になるのは当然ですが過度な心配をする必要はありません。乳歯の抜ける順番や年齢には個人差があるからです。
基本的に多少の誤差であればきちんと永久歯は生えてくるものです。それでも心配だという方は歯科医院にてレントゲン検査を行い、今後の生え替わりについて歯科医師に相談されるとよいでしょう。
大切なのは定期的に歯科医院でチェックを受けて乳歯から永久歯への生え替わりが健康的に進行しているか確認しましょう。
■ぐらつく乳歯は強制的に抜いても大丈夫?
多少のグラつきの程度で抜くのはよくありません。歯茎が傷ついたり、歯根が途中で折れたりする可能性があります。
基本的に処置していても勝手に抜け落ちますが、気になって舌か指でぐらついた歯をいじることがあります。この方法は一気に抜くこととは異なり、歯茎には負担をかけず安全に歯が抜けることを助けてくれます。自然に抜けるように促すのが一番です。
ただし、乳歯が生えているにもかかわらず内側から永久歯が生えてきたら歯列に問題が出てしまう可能性があるため、早めに歯科医院に相談してください。
■永久歯が生えてこない場合もある?
乳歯はしっかりと抜けたのに永久歯が月日が経ってもなかなか生えてこない場合があります。そのような場合はどのようなトラブルが起こっている可能性があるのかを見ていきましょう。
①埋伏歯
顎が小さい、または永久歯が大きいなどの原因で生えてくるスペースが確保できていない、歯の位置がずれてしまっている、歯と骨がくっついてしまっている等の原因で永久歯が埋伏歯となり、なかなか永久歯が生えてこない場合があります。
しかし埋伏歯はそのまま生えてこなくなるわけではなく、3年~4年ほどかけてゆっくりと自然に出てくる場合もあります。
レントゲンを撮ると埋伏している歯の状態がすぐわかりますが、埋伏している状態によっては歯並びに関係してくるため矯正治療が必要になることもあります。
②先天性欠損歯または先天性欠如歯
乳歯の下に元々永久歯が存在しない場合です。原因は妊娠時の栄養状態、胎児の時期に歯の元となる「歯胚」が作られない等ありますが原因は明確には分かっていません。
しかし永久歯の先天性欠損歯は10人に1人に確認されていて、あまり珍しいことではありません。
その場合、乳歯が抜け替わらずに残っていることが多く、できるだけその乳歯を長く残すようにしましょう。
現に虫歯にさえならなければ中高年になっても乳歯がずっと使えていることも多いのです。それでも、抜けてしまい噛み合わせなどに問題がある場合は入れ歯かインプラント、ブリッジなどの処置が必要になります。
放置すると隣の歯があいたスペースに倒れ込み歯並びが乱れたり、虫歯になりやすくなったり、食事発音にも影響がでます。
いかがでしたか?乳歯は生え替わりの順番が違ったり、早いなど心配や不安になることがありますがお子様には体の成長にも個人差があるように乳歯の生え替わりの時期、順番にも個人差がありますのであまり心配せず永久歯が生えてくるのを待ちましょう。
ただ、生え替わりの時期の目安から半年以上経っても生えてこなかった場合は気軽に歯科医院に相談をしてください。