各務原市にある、大野歯科クリニックです。
突然ですが、歯磨きはいつ頃から行われていたかご存知ですか?
歯ブラシの歴史は古く、古代インドでは小枝の先端を噛み潰した棒で歯を磨いていたといわれていて、他の地域でも、歯磨きに使われたと思われる動物の骨などがみつかっています。ですが現代の歯ブラシのように高性能なものはありませんから「昔の人のお口の中は虫歯だらけだったのでは?」とお思いますよね?
実は意外にも、原始時代では虫歯自体が存在しなかったといわれています。調理するといえば焼くくらいで、ほとんど硬いものしか口にしなかった時代です。硬い食べ物は必然的に噛む回数が増えるので、その分唾液が出て、口内の細菌を洗い流すとともに酸を中和する作用が働いていたと考えられます。現代では技術が進み、何万種類もの口腔ケアグッズが世の中に溢れているのにも関わらず、虫歯が多いのはどうしてなのでしょうか?
▪️虫歯が多くなるのはなぜ?
虫歯が多くなる理由は「噛む回数」にあります!煮る・炊くなどの調理法が登場し、食べ物が柔らかくなると噛む回数が減りはじめました。一回の食事で噛む回数は、縄文時代>戦前>現在で大幅に減少しています。柔らかい食べ物は歯にからみつきやすく、虫歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)が生じます。
▪️虫歯になりにくい食べ物は?
何を食べれば虫歯になりにくいのか。今までのお話にあったように、◎たくさん噛める食べ物は唾液の分泌を促して酸を中和してくれます。ほかに、◎糖分が少ないもの◎長時間お口に残らないものがあげられます。
具体的な食品では、
①カルシウムを含んでいる食べ物
カルシウムは、歯を作っている象牙質の主な成分です。カルシウムの摂取量が低下すると、象牙質や骨がもろくなってしまいます。小魚や牛乳・チーズなどの乳製品、納豆や木綿豆腐といった大豆製品にも、豊富に含まれています。
②ビタミンDを含んでいる食べ物
カルシウムの吸収を促進してくれて、日光を浴びることでも産生されます。
サケ、マグロ、サバなどの魚、キノコ類などに含まれています。
③ビタミンDを含んでいる食べ物
歯の一番外側の部分である、エナメル質を丈夫にします。
ニンジン、ホウレンソウ、かぼちゃ、ウナギなどに含まれています。
④ビタミンCを含んでいる食べ物
歯茎の健康を保ち、再生を促してくれます。また高い抗酸化作用を持ち、カルシウムと結びついて歯を強くしてくれます。
緑黄色野菜に多く、その他ではいちご、キウイ、グレープフルーツのような果物に含まれています。
⑤フッ素が含まれる食べ物
みなさんもご存じ!フッ素は歯のエナメル質の再形成を促す成分です。
ワカメ、イワシ、エビなどの海産物や、緑茶、牛肉やりんご、みかんなど に含まれています。
▪️虫歯になりにくい飲み物もある?
食べ物と同様、飲み物にも虫歯になりやすい物、なりにくい物があります。
虫歯になりにくい飲み物は、pHが5.5以上の糖質を含んでいないもので、水かお茶が好ましいです。
逆に、糖質を多く含んでいるジュースなどの飲み物は虫歯になりやすいと言えます。
▪️まとめ
いかがだったでしょうか?
食べ物や飲み物の種類で虫歯になりやすい、なりにくい物があることが分かったと思います。
しかし、これらの虫歯になりにくい食べ物や飲み物だけ摂っていれば歯医者の定期健診に行かなくてよい、歯磨きをしない、好きな時間に食べればよいかというと、そうではありません!
虫歯は歯質、虫歯菌、糖分、時間の4つの要素が大きく関わっています。歯科医院での定期健診で虫歯の早期発見やお口の状態を良好に保つこと、正しい歯磨き、バランスのとれた食生活が最善の予防策になります。